鶏肉は幅広い料理に利用され、世界中、どの世代からも人気があります。
その理由は、豊富な調理法と多様な味わい、そして栄養価の高さにあります。さらに、鶏肉は比較的手頃な価格で入手できるため、多くの人々に愛されています。
今回は、その鶏肉の栄養と健康効果についてご紹介します。
鶏肉に含まれる栄養素
鶏肉にはたんぱく質、ビタミンB群、亜鉛、鉄などが含まれています。これらの栄養素がどれほど含まれているか、また栄養素ごとの働きは以下のようになります。
タンパク質:100gあたり約20g。
筋肉や骨、皮膚、内臓などの細胞を作るために必要な栄養素であり、鶏肉には多くのタンパク質が含まれます。タンパク質は体内で消化されてアミノ酸に分解され、代謝に必要なエネルギーを作り出したり、新しいタンパク質を合成するために使われます。
ビタミンB群:100gあたり約0.35mg(ビタミンB6)。
鶏肉にはビタミンB群が豊富に含まれており、エネルギー代謝や神経系の正常な機能に必要な栄養素です。特にビタミンB6は、脳や神経系の正常な機能を維持するために必要であり、鶏肉に多く含まれています。
亜鉛:100gあたり約0.7mg。
鶏肉には亜鉛が豊富に含まれており、免疫力を高めたり、肌や髪の健康を保つために必要な栄養素です。また、鶏肉に含まれる亜鉛は、男性の精子の形成にも関与しています。
鉄:100gあたり約0.3mg。
鶏肉にはヘム鉄と非ヘム鉄が含まれており、ヘム鉄は肉類に多く含まれる鉄の一種で、非ヘム鉄よりも吸収率が高いため、貧血予防に効果的です。
これらの栄養素が含まれている鶏肉をバランスよく摂取することで、健康的な体を維持することができます。しかし、過剰な食べ過ぎはカロリー過多につながるため、適度な量を食べることが大切です。
鶏肉の赤身は、筋肉部分で赤みがかった肉です。一方、皮は肉の表面にある脂肪部分で、白い色をしています。赤身は低脂肪で高タンパク質、ビタミンB群、ミネラルを含んでいます。一方、皮は脂質が豊富で、コレステロールやカロリーが高いです。食べる場合は、赤身を選ぶことで低脂肪・高タンパク質の効果を得ることができます。ただし、皮も栄養素を含むため、適量であれば摂取してもよいでしょう。
鶏肉とダイエット
低カロリー:鶏肉は赤身が多く、脂肪分が少ないため、低カロリーな食材です。また、皮を取り除くことで更にカロリーを抑えることができます。
高タンパク質:鶏肉には良質なタンパク質が豊富に含まれています。適切なタンパク質の摂取は、筋肉量の維持や増加、脂肪燃焼促進などの効果があります。
低GI値:GI値とは、食品を摂取した後の血糖値の上昇度合いを表す指標です。鶏肉は低GI値の食品であり、血糖値の急激な上昇を抑えることができます。
鶏肉を摂取する方法としては、焼く・蒸す・煮る・炒めるなど様々な方法があります。また、鶏肉を食事に取り入れる際には、適切な調理方法や塩分量、量を守ることが大切です。
鶏肉の選び方と保存方法
鶏肉を選ぶ際には、鮮度と品質に気を付けることが重要です。鶏肉が新鮮でない場合、細菌や病原体が繁殖する可能性があり、食中毒の原因になることがあります。
鮮度を確認するためには、鶏肉の色やにおい、触り心地をチェックしましょう。新鮮な鶏肉は、色が鮮やかで明るいピンク色をしており、においもほとんどありません。また、表面がつるつるしていて、触ったときにべたつきやヌメリがないのが特徴です。
品質を確認するためには、鶏肉の産地や生産方法、飼育環境にも注目しましょう。有機栽培や放し飼いなど、安心・安全な鶏肉を提供する農家やメーカーもありますので、それらを選ぶようにしましょう。
鶏肉を保存する際には、冷蔵庫の温度を5℃以下に保ち、鶏肉を密封袋に入れて保存することが望ましいです。冷凍保存する場合には、-18℃以下の温度で保存することが重要です。また、解凍した鶏肉はすぐに調理するようにしましょう。
まとめ
鶏肉は、タンパク質やビタミンB群、亜鉛、鉄などの栄養素が豊富に含まれている食材です。鶏肉を食生活に取り入れることで、健康的な体を維持していきましょう。
また、鶏肉を選ぶ際には、様々な部位がありますが、低脂肪である赤身を選ぶことが望ましく、色が鮮やかで、弾力があるものを選びましょう。鶏肉は、冷蔵庫で保存する場合は、2〜3日以内に食べきるようにし、冷凍保存する場合は、しっかりと密閉して、できるだけ早めに食べるようにしましょう。
監修:黒木真海
管理栄養士
栄養教諭として学校給食の献立作成を行いながら子どもたちの食課題と向き合い、授業や日々の子どもたちとの関わりの中で食育を実践してきました。
現在はLODISH開発責任者として、「多くの方が健康を日常とするために何ができるのか」日々試行錯誤しながら栄養バランスを考慮した商品の開発を行っています。