みんな、いろんな事情があるものだけど生理中のSEXって、アリ?ナシ?

タイトルでうわっ!って思われた人もいるかもしれませんが
友人から聞かれる質問でダントツ多いのがこちらの内容です……

という訳で、お答えしてみます。

 

原則、SEXはナシ!

生理に関する記事はこれらも参考にしてもらいつつ

原則、生理中のSEXはおすすめできません。

生理とは、排泄行為です。
子宮筋が動いて子宮内膜が剥がれ、それが体外へ排出される現象。

子宮の中から経血を出すという現象なのに、その間に入り込んでどうするの?何するの?って感じです。

しかも、生理中は免疫力が落ちます。

もう少し詳しく説明すると、生理って血液を失うこと。
血液を失うって、一歩間違えば命の危機に直結します。

身体の気持ちになってみると、生理という予想できる危機がやってくるというわけ。

血液って栄養豊富なものなのに、それが体外へ出てしまう。
栄養を失ってつらいし、戦闘力が低下します。

そのため、身体全体の警備が手薄になってしまう、つまり、免疫力が低下してしまうんです。

 

それから。

本来、膣は酸性に保たれています(pH3.8~4.5くらい)が、生理の時は経血のせいでこのバランスが乱れます。

 

経血と混ざることによって酸性が低くなってしまうんです。
これは、菌の殺傷能力が下がることを意味します。

膣の中で頑張ってくれている常在菌だって、経血のせいでそのバランスを崩し、その自浄作用が弱くなります。

これらをまとめて専門用語でそれっぽく言うと、易感染性(いかんせんせい)と呼びます。
感染しやすい状態のことですね。

したがって、生理中の膣〜子宮はちょっと弱っている(=感染しやすい)という認識をもってもらえると嬉しいです。

だから、生理中のSEXは、原則おすすめできないんです。

 

 

それでも望む場合

とはいえ、大人になるといろんな事情や理由があるもの。

生理中に止むを得ず、という人たちもいるでしょう。
そういう方達にお願いしたいのは

必ずコンドームを使用してほしい

ということ。

生理中といえど、排卵してしまう可能性があります。
そのため、生理中のSEXによって妊娠してしまう可能性も0ではないということ。

生理中=妊娠しないということではないので、妊娠を望まない場合には絶対にコンドームの使用をお願いしたいです。

 

 

 

血液にふれるということ

生理とSEXの話から脱線しますが、私たち医療関係者が考える「血液にふれる」という価値観や対応も知って欲しいので、お付き合いいただけると嬉しいです。

患者の粘膜に素手で触れることは、絶対にない

これは感染防御のため
口腔内、鼻腔、陰部、肛門……と粘膜にふれる時は、絶対に手袋(医療用のもの)を装着してからになります。

自分たちが感染者になっては、いけないからです。

たとえ、目の前で患者さんが血を吐いて倒れても、素手では絶対に触りません。
相手を助けるよりも、自分を守るほうを優先しなくてはいけないので、手袋やマスク、ゴーグルを装着してはじめて患者さんに駆け寄ります。

採血だって皮膚にふれるものですが、血液を扱うが故に必ず手袋をつけて行います。
素手でとってる看護師がいたら、それはルール違反です……

これらを踏まえると、SEXってあるとあらゆる粘膜的接触があるわけで、そうすると感染の視点からみるとリスクしかないわけです。

生理中となるとそこに血液も加味されるので、もう感染警報発令状態。
湿度も温度もそろっていておまけに栄養(経血)まである……!!

細菌やウィルスからしたら、もう人生最後の楽園くらい居心地のいい場所になってしまうんです。

 

きれいかどうかなんて、見た目ではわからないから

すべての医療機関とまでは言えませんが、術前や処置の前に任意でHIV検査を行っているところもあります。

私が今勤めている病院でも行なっていて、やはり数年に1度はHIV陽性の患者さんが見つかります。

心当たりがわからない。
そういうお店やパートナーと接触した覚えがない。

と本人は言いますが、もう感染者として生きていくしかないんですね。
HIVも発症を遅らせることはできますが、いまだに完治は難しい病気です。

つまり、粘膜的接触って感染と密接にリンクしています。
しかし、その上をいくのが血液による感染です。

例えば、B型肝炎患者さんの採血し終わった針を、自分の手に刺してしまった場合、感染する可能性が多いにあります。

以前勤めていた病院では、上記のような事例が起こってしまいました。

その時、その看護師は

・針を使う業務停止(患者に感染を拡大する可能性があるので)
・毎月の採血(B型感染を発症していないかのスクリーニング)
・報告書の提出
・治療薬の服用

を義務付けられていました。
血液から感染するってこういうことなんです。

 

話を生理中のSEXに戻しましょう。

たとえば陰茎に傷がある状態で、コンドームなしで行為に及んだ場合。

女性側が持っている感染症は、間違いなく男性側にも伝染します。
しかも、血液と傷口。もう感染ジャンクションみたいなものです。
菌もウィルスも移行し放題。

そうまでしてする必要があったのか、を考えてしまうのではないかと思います。

 

 

おわりに

感染源としての血液の怖さ、が伝わったでしょうか。
生理中のSEXは、経血という血液に曝露する機会にもなってしまいます。

それでも、いろんな理由で生理中に行為に及ぶ人たちもいるはずです。
それを否定はしませんが

・生理中は女性側の免疫が弱っていること
・男女ともに感染のリスクがより増大すること
・妊娠する確率が0じゃないこと

を知っておいてほしいな、と思います。

 

参考文献

ナースあさみ

看護師
ナースあさみ

この記事を書いた人

看護師10年目のアラサーナース。消化器外科内科6年、整形・内科混合病棟4年目。医療倫理や緩和ケアも好き。低用量ピル服用も10年目。特にトラブルなく過ごしています。