今は、当たり前に聞く妊娠という言葉。
赤ちゃんができた=妊娠、という理解の仕方をしている方も多いのではないでしょうか。
しかし、そもそも医学的にいう妊娠って、どういうものかご存知ですか?
今回は、「妊娠」について解説していきます。
そもそも、妊娠の定義とは?
医学的な妊娠の定義は、受精卵が子宮内膜に着床してから胎児(赤ちゃん)と胎盤などの付属物が体外(お母さんの外)に出るまでを言います。
つまり、子どもができたことを妊娠というのではなく、赤ちゃんが外に出るまでを妊娠と言うのです。
妊娠中って言いますよね?あのイメージです。
だから、妊娠ってかなり期間の長いもの。
ここで、聞きなれない着床(ちゃくちょう)という言葉がありますね。
これについても解説していきます。
着床(ちゃくしょう)って、どういう意味なの?
着床とは、受精した卵子(=受精卵)が子宮内膜にくっつくことを言います。
実は、子宮内膜って、生理の時に排出されるもの。
ですが、受精卵が子宮の中に存在している場合は、赤ちゃんを育てるための栄養満点ベッドとして機能します。
受精卵が子宮内膜にくっつき、栄養を供給してくれる子宮内膜(後の胎盤)とうまく融合してはじめて、胎児として成長していくんです。
そのため、受精していても着床をしていないと妊娠したとは言えません。
不妊治療をしている方は聞きなれているかもしれませんが、着床している・していないということは妊娠が成立している・していないを表すことにもなります。
妊娠している期間って、どれくらいなの?
妊娠すると妊娠何週目という言葉で期間を表します。
では、妊娠してから出産までどのくらいかかるのか?
その答えは、妊娠期間は10か月、だいたい40週間となります。
1週間は7日間ですよね。
エコー写真では「20w5d」などと表記されています。
これは、「妊娠して20週と5日目」という意味になります。
なぜこれを説明したかというと人工妊娠中絶のときに必要となるからです。
人工妊娠中絶についてはこちらの記事を参照してください。
妊娠0週から15週6日までを「妊娠前期」
妊娠16週0日から27週6日までを「妊娠中期」
妊娠28週0日からを「妊娠末期」と言います。
出産は、いつでもいいわけではありません。
心臓や肺の機能がまだ十分ではないため、早く生まれすぎてしまうと外の世界で生きていくには厳しい。
いわゆる早産、赤ちゃんは未熟児の状態ですね。
そのままでは、生存そのものが厳しいこともあるので、NICU(新生児集中治療室)やGCU(継続保育室)という専門病棟で治療をします。
また、出産は40週を超えないといけないと思われがちですが、37週0日から正期産(正しい出産の期間)と呼ばれ、いつ生まれてもいいように体が整います。
反対に、40週過ぎてもなかなか生まれてこない!ということもありますが、41週6日までは正期産の期間となります。
つまり、42週を超えなければ概ね大丈夫です。
ちなみに、42週になると過期産となります。
過期産の時期になると羊水が減り、赤ちゃんに対して悪影響を及ぼすため、薬剤を使用するなどして42週までに出産を行うよう調整することが多いです。
おわりに
以上、妊娠について解説してきました。
実は、医学的にはこのように細かく期間が決まっているものなんです。
もちろん、ここまで覚えなきゃいけないわけではありませんが、医療用語を普通に出してくる医者や看護師って結構います。
その方が、早く確実に伝わるからです。
ですが、患者の立場になって説明されているときって、言われていることを聞くことで精いっぱいになります。
わからないことがあっても、その場で聞くってなかなかできませんよね。
そういう時こそ、この記事に頼ってほしい。
妊娠の理解につながり、不安を少しでも軽減することができれば嬉しいです。