care me!コラム規則正しい生活とは無縁なあなたへ

医師

…というわけで、規則正しい生活を心がけましょう!

あなた

はあ…
(それができたら苦労しないんだけど…むしろ、それ以外の解決方法を教えてくれ…!)

検診や健康診断でこういうやり取りをしたことある人、結構いるのではないでしょうか。

そして、同じような心の声、わたしもたくさん聞いています。

  • 適度な運動をしましょう
  • 良い睡眠を心がけましょう
  • バランス良く食べましょう

健康について発信しているメディアには必ず載っているこの標語たち。
でも、これを実践できている人

私はみたことありません…!

これができない&やれないから
サプリや薬、便利グッズに頼りたいんだ!っていうその気持ち、よくわかります。

ただ、この標語って、医学的には真理なんです。
私個人も、生活習慣を整えることが最強の改善策だと思っています。

 

なぜなのか、これから説明していきます。

薬も処置も、その場しのぎ

交通外傷で緊急手術
がんのため放射線療法

これらのように命を助けることを目的に行われる医療をのぞいて、ほぼすべてが応急処置にすぎません。

C型肝炎の治療薬のように病気の完治を目指す薬剤もありますが、基本的に薬もそう。

あくまで原因の解決ではなく、出現して困っている症状を抑えているだけです。
対症療法といいます)

心筋梗塞で詰まってしまった血管を広げたり、詰まっているものをとることだって、命を救うための処置。
心筋梗塞の本当の原因は、血管が狭くなるような、血液がドロドロになってしまうような、毎日の過ごし方にもあります

いくら薬でコントロールしようと思っても、そこには限界が。
毎日の習慣が変わらない限り、心筋梗塞再発のリスクは変わらないのです。

 

動く・寝る・食べるが人間の基本

たまに忘れてしまいますが、私たちだって動物。

動く、寝る、食べるのどれかがおろそかになると、とたんに身体や心にその影響が及びます。

  • 動けない
  • 眠れない
  • 食べれない

この3つが揃ったら

もうちょっと生きていけないかもしれない…!
という気持ちになってもおかしくありません。

自宅で療養している方や、病棟に入院している患者さんを見ていても
この3つが満たされていないために苦しんでいる方が大勢います。

特に、救命センターにいるような患者さんは、上記の3つを見事にコンプリートしています。
そりゃ、命も危機に陥るわ…って思わざるを得ません。

 

生活のリズムを整えることこそ、最強

では、動く・寝る・食べるを整えるにあたり、何が有効かといえば

規則正しい生活をしましょう

これなんです。
ここに戻ってしまうんです。

これは、朝7時に起きて夜11時に寝ましょう!ということではなく、自分らしい生活を送るためにリズムをつけましょうという理解のほうがベターだと思っています。

私個人の話をすると、看護師のシフトはすべて夜勤。
休憩もありますが、健康のゴールデンタイムである22時〜2時はずっと起きています。
なにもゴールデンじゃない。

それでも、体調を崩したり、肌荒れしたり、昼夜逆転して不眠になったりしないのは

自分の生活のリズムを守っているから。

夜勤明けは必ず家に帰って2時間くらい仮眠を取っています。
この時、擬似的な夜じゃないですが、遮光カーテンでまっくらにして、一切の光をシャットアウトしています。
ここで寝過ぎないことで、その日の夜も爆睡しています。

 

こういう話を別の場面に展開していみましょう。
実は、高齢者のためのデイサービスも1日のリズムが整っている場なんです。

デイサービスも、おおよそのスケジュールが決まっています。
検温、お風呂、リハビリ、お昼ご飯、アクティビティ、処置、送迎などです。

デイサービスに通う高齢者の中には、塗り絵や折り紙、カラオケなどのアクティビティを

おじいちゃん

バカらしくてやってられるか!

という人もいますが、あれは活動を消費させるために行なっているものです。
視点を変えればリハビリもそうですが、わざと疲れさせているとも言えるでしょう。

ただでさえ、高齢者は不眠に陥りやすいと言われています。

加齢とホルモンバランスの乱れによるものですが、眠れないと精神的に参ってしまったり、一緒に住んでいる人たちの生活にも影響を及ぼしたりします。

日中は身体を動かし頭も使って、夜はしっかり休む。

そのためのアクティビティ、そして、生活のリズムなんです。

 

生活のリズムを整える2つのメリット

生活のリズムを整えると、なにがいいのか。

医学的な視点

自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスが整います。

これが崩れると夜眠れないのに日中眠い、食べても食べても満腹感を得られないなど、症状が進行すると病気の域になってしまうものもあります。

交感神経と副交感神経

言葉は聞いたことあるけど、よくわからない人が多いですよね。
これらは、私たちの動物的な行動を司っている部分です。

もちろん、眠る・食べるも含まれます。セロトニンを含むホルモンもこの影響を多大に受けているため、バランスが崩れた時の身体と心へのダメージは計り知れません。

自己啓発的な視点

習慣化することで、余計な思考や感情に割くリソースを最小限にし、本来自分が注ぐべきタスクや行動にシフトできるという点です。

いい例が、筋トレですね。
あれも、やらなくても死ぬわけじゃないし誰も困らない。
けれども、習慣にすると体調は整うし、痩せるし、メリハリボディになるし、いいことづくめ。

結果、習慣化する前の自分には戻れなくなるという感じです。

 

どの習慣も知らないうちに積み重ねているものだから

というわけで、規則正しい生活についてお話してきました。

ここまで読んでくれた方は、もうおわかりのはず。

生活習慣を整えるって時間がかかるし、お金もかかるし、成果もすぐに現れません。

つまり、一番やる気が起きない方法なんです。
モチベーションも保ちにくい。
だから、なかなか浸透しない。

人間、誰しもラクしたいのが本音。
早く結果が欲しいし、努力だってしたくない。
だから、生活習慣を整えるって逆張りでつらいんです。

けれども、その分、自分の味方につけてしまえばこれほど心強いものはありません。

お酒はほどほど、タバコを断ち、運動や筋トレを習慣にして、バランスの良い食事を摂り、質の良い睡眠を続けていく。

あなたが、自身の規則正しい生活とは?を考え、実行していけることを願っています。

 

 

おまけコラム

セルフメディケーション税制という言葉、みなさんご存知ですか?

セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)について

これは、ざっくり言うと自分で健康を管理した分の出費は控除の対象になるよ!というものです。
※サプリや化粧品など、美容関連のものは対象外です。

なぜこういう制度ができたかを考えると、医療費の増大であることは明らか
国としては、もうこれ以上、医療費を増やしたくないのいうのが本音なんです。

厚生省の統計をみると、唖然とするような額が医療に消えていっています…!
そのほとんどが高齢者の医療費です。

国の気持ちになってみると、病院に頼るのではなく自分で健康を管理しようとする人たちは、医療費を軽減しようと努めているようにみえる。その姿勢を、控除という形式で国が認めてくれるようになったというわけなんです。

国民全員が、平等で公平な医療を受けることができない国もまだまだたくさんあります。
そんな中、日本の国民皆保険制度は世界でも稀にみる、優しい制度です。

しかし、この国民皆保険制度も、とうに限界を超えています。
私たちが高齢者になる頃には、医療費自己負担5割や、これまで納めてきた税金によって受けられる医療のグレードに差が出てくる、なんてこともあるかもしれません。

だから、自分で自分の健康を管理・統制していく能力、ヘルスリテラシーが、いま問われているのです。

ナースあさみ

看護師
ナースあさみ

この記事を書いた人

看護師10年目のアラサーナース。消化器外科内科6年、整形・内科混合病棟4年目。医療倫理や緩和ケアも好き。低用量ピル服用も10年目。特にトラブルなく過ごしています。