めまい、立ちくらみ、耳鳴り、視界が真っ暗になる感じ…
誰しも一度はこういう経験をしたことがあるのではないでしょうか?
多くの人が貧血だと勘違いしてしまうこれらの症状。
そのほとんどが、血圧の低い状態、つまり低血圧だったりします。
え〜低血圧?
高血圧はよく聞くけど、血圧が低いことがどうしていけないの?
という声も聞こえてきそうなので、今回は低血圧についてお話していきます。
似ている症状の貧血についてはこちらから。
低血圧って、どういう状態なの?
普段の血圧にもよりますが、上の血圧(収縮期血圧)が100mmHg以下の場合を言います。
もちろん、普段の血圧が90台という方もいるので、そういう方にとっての「低血圧」の基準はまた違ったものになります。個人差の大きい数字なのです。
ではここで、低血圧の分類を見てみましょう
1、本態性低血圧
なんらかの理由で血圧が低いものを言います。
なんじゃそりゃ…!と思う人がほとんどでしょうが、今日の医学をもってしてもわからないことのほうが多いんです。
加齢や運動不足が高血圧に影響すると言われていますが、その詳しいメカニズムは解明されていません。
2、二次性低血圧
いろんな病気や薬の影響により低血圧が引き起こされるものを言います。
例えば、全身麻酔で手術をしたあとの患者さん。
麻酔薬の影響によって低血圧をきたす人がいます。
あまりにも低い場合は血圧をあげる薬を使ったりもしますが、この場合、原因がはっきりしている(麻酔薬の影響)ため、様子観察をすることが多いです。
3、起立性低血圧
立ち上がった時の自律神経(骨盤神経とか)の調整に不具合が生じ、低血圧を引き起こすものを言います。
よくあるのが、インフルエンザなどでしばらく寝込んだあとにいきなりベッドから立ち上がるとふらっとすること、なんかですね。
今まで穏やかに循環していた血液が、立ち上がることでいきなり高低差のある環境へ変化し、足に血液が集中することで起こります。
4、食事性低血圧
食事で消化管への血液が増え、全身をめぐる血液量が減り、低血圧を引き起こすものを言います。
食べ物を食べると、消化管が動き食べ物を分解しようと酵素や消化液を分泌します。この原動力が血液。そのため、食後は血液がお腹に集中するんです。
食べてすぐに走っちゃだめよ!
と、いうのはこういう理由もあるかもしれません。
血圧計がなくても簡単に知る方法
やはり、病院やジムにある血圧計で測るのが一番正確です。
しかし!血圧を測るアイテムは何も血圧計だけではありません。
自分の手で動脈を触って確かめることもできます。これは医療者じゃなくてもやってOK!
一緒にいる人が倒れそうになった or 倒れた時にも有効なので、覚えておいて損はないと思います。
頸動脈(首の筋の近く):60mmHg
上腕動脈(いつも血圧を測る二の腕を走っている動脈):70mmHg
橈骨(脈が触れるところ):80mmHg
なので、ひとまず橈骨の血圧が触れれば、安心。
反対に、頸動脈が触れないと結構やばい状態(ショック)と思ってもらってOKです。
簡単に早く血圧をあげる方法は?
横になる。
これが一番。
できたら荷物やタオルで下肢(膝から下)を少し持ち上げられるとベターです。
立ってると、重力によって足へ足へ血液が流れてしまう感じがしませんか…?
横になることで、血液の流れをフラットにする意味合いもあります。
心臓と足の高さを合わせて、心負荷(心臓の頑張りレベル)を下げてあげる。
そうすると、血圧も徐々に戻ってくることが多いです。
まれに、これでも血圧が戻らないことがあります。
そういう時は、身体の中でなにかが起こっていることが多いので
速やかに医療機関を受診してください。