女性のからだに関することで、病院を受診したい!と思っても
- 産婦人科
- 婦人科
- 産科
- レディースクリニック
いろいろあって、どこを受診したらいいかわからない!
という人のために、この記事では診療科の違いについて説明していきます。
はじめてこの領域を受診する人、悩んでいる人の役にたったら嬉しいです。
産婦人科では、何をみてくれるの?
もっともよく見かける診療科の名称ですよね。
これは、産科と婦人科どちらも診れますよということ。
産科と婦人科って違うの?という方もいると思いますが、実は違います。
- 産科とは?
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妊娠期〜産褥期(産後6週〜8週ほどの期間)の人へ検査や治療を行う診療科のことを言います。
- 婦人科とは?
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月経やおりものに関する悩み、子宮、卵巣、乳房の病気、性感染症、更年期障害、避妊、不妊の相談など、女性の幅広い疾患に対応する診療科のことを言います。
医療機関の規模を問わず、多くが産婦人科医という肩書きで診療しているため、なかなか区別がつきにくいですが、診療領域が少し違うのです。
ちなみに、出産後しばらく経過し産褥期(さんじょくき)を抜けたお母さんは再び婦人科へ、生まれた赤ちゃんは新生児科を経由し小児科へと、フォローしてくれる診療科が別れていきます。
妊娠したかも…の場合は、どっちにいけばいいの?
理想を言えば、カルテの共有や申し送りがスムーズなので、もともと産科と婦人科両方ある医療機関にかかりつけで、妊娠を機に婦人科から産科へ転科(科が変わること)するのが一番いいのですが
一度も医療機関を受診しないまま妊娠の可能性がある方や、婦人科のみの診療をうけてきた方が妊娠した場合は、産科のある医療機関へ紹介されるパターンが多いです。
というのも、産科の場合は妊娠に必ず出産がくっついてきますよね。
この出産がキモ。
個人医院や小規模の助産院の場合、産科であってもすでにその時期の分娩予定患者の予約がいっぱいの場合、その医療機関での出産を断られることがあります。マンパワーと設備環境の不足のためです。
もしくは、もともと病気を持っていたり、胎児に病気や障害があることがわかっていたり、その他にも出産時におけるリスクが高い場合は、よりリスクに耐えられるよう大きな病院を紹介されることもあります。
したがって妊娠を確かめる場合、もともと産婦人科もしくは婦人科に通っている方はその医療機関へ。
まったく受診歴のない方は、産科もしくは産婦人科を受診すると良いと思います。
医師の得意分野を見極める方法
産婦人科といっても、得意とする診療はさまざま。
そのため、事前にインターネットで情報収集しておくことをオススメします。
医療機関のHPには、診療科もしくは診療案内という表記で何科を診れるかが記載されています。
産科、婦人科、内科、皮膚科、神経内科、形成外科、麻酔科…
中には、美容外科や美容皮膚科がメインの医療機関もあるので、ぜひ調べてみてください。
それからもう1点。
医師の来歴やプロフィールも確認しましょう。
多くの医師が
・卒業した学校
・勤めてきた医療機関の名称やその期間
・専門医や認定医をもっている場合はその領域名
・学会所属名や発表した論文名
などを載せています。
産婦人科医がほとんどですが、医療機関によっては水曜の午後は皮膚科の◯◯先生、ということもあり得るのでここもチェックです。
よくあるレディースクリニックは、いったい何科なの?
婦人科であることが多いですが、ここも医師の専門や診療科、診療案内の記載をよくみましょう。
中絶手術を売りにしているところもあれば、更年期障害が得意なクリニックもあります。
どうしてもデリケートな診療領域のため、医療機関名だけでは判断しにくいというのが実情です。
もし、中絶を希望するとして「中絶専門あさみクリニック」という名称の医療機関を受診しようと思いますか…?
しませんよね。
そのため、オブラートに包んだような名称がついてしまうことがあるのです。
その他医療機関の名称に関しては、厚生労働省のサイトより参照してください。
おまけコラム
- 不妊関連は、何科なの?
- 不妊外来やリプロダクティブヘルス・ライツ、リプロダクションセンターと言い方をしている医療機関もあります。
個人のクリニックや医院の場合は上記同様、診療案内を詳しくみてみないことには不妊外来を実施しているかどうかわからないところもあるのでご自身でも調べてみてください。
ただ、不妊外来の多くがいわゆる一般的な産科とはセクションをわけています。
産科は妊婦さんの通うところ。
一方、不妊外来は妊娠を希望する女性が通うところです。最悪の場合、妊娠を望めないまま不妊治療を終える人もいます。
患者さんの心情を考えると、妊婦さんと同じ待合室で過ごすこと自体、苦痛に感じられる人だっています。
こういうことに配慮した体裁をとっている医療機関がほとんどなので、セクションが別なのです。同じように、医療機関によりますが、分娩を終えた患者さんと中絶手術を終えた患者さんを同室にしないなど、入院病棟でも同様の配慮がなされることがあります。
ベッドが空いているのに入院させてくれない!という人もいるそうですが、産婦人科病棟の場合には、こういう配慮のケースもある、ということを知ってもらえると嬉しいです。